WALK-TRIPS ~ 歩き旅と写真

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岡山市 岡山城 ~漆黒の天守と城下町の歴史に出会う、岡山を代表する名城・岡山城~

訪問日:2026-05-02
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岡山市 岡山城 ~漆黒の天守と城下町の歴史に出会う、岡山を代表する名城・岡山城~
岡山城|漆黒の天守が映し出す、岡山の歴史と城下町の魅力
岡山市の中心部を流れる旭川のほとりに、ひときわ印象的な黒い天守がそびえています。岡山を代表する歴史スポットのひとつ、岡山城です。

白壁を基調とした城が多いなか、岡山城の外観は黒塗りの下見板で覆われています。その姿がカラスの濡れた羽を思わせることから、古くから「烏城(うじょう)」の名で親しまれてきました。黒を基調とした重厚な建物に、屋根まわりの金色の装飾が映える姿は、遠くから眺めても強い存在感があります。

岡山城の魅力は、天守の美しさだけではありません。戦国時代から江戸時代へと移り変わるなかで城主が交代し、城下町が発展していった歴史をたどれること、川を挟んで岡山後楽園と向かい合う独特の立地、さらに石垣や櫓などから築城技術の変化を観察できることも大きな見どころです。

歴史に詳しい人はもちろん、建築や写真撮影が好きな人、岡山市内をゆっくり散策したい人にも訪れてほしい観光スポットです。


●基本情報

[所在地]岡山県岡山市北区丸の内2丁目3-1
[開館時間]9:00~17:30(最終入場17:00)
[休館日]12月29日~12月31日 ※荒天や点検などで臨時休館の場合あり
[入場料]大人(15歳以上)500円、20名以上の団体400円、中学生以下無料
[アクセス]
・電車でのアクセス
JR岡山駅から路面電車「東山行き」に乗車し、「城下」下車後、徒歩約10分
[公式ページ]
https://okayama-castle.jp/
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岡山の町づくりとともに築かれた城
現在の岡山城の基礎を築いた人物として知られているのが、戦国大名の宇喜多直家と、その子である宇喜多秀家です。

宇喜多直家は1570年ごろに石山の城を手に入れ、後にこの地を本拠としました。その後、家督を継いだ宇喜多秀家が城郭の整備を進め、1590年ごろから本丸を現在の岡山の丘へ移して、本格的な築城と城下町の整備に取り組みます。岡山城では、天守が整ったとされる1597年を築城年としています。

宇喜多秀家は豊臣政権下で重きをなした大名であり、岡山城にも当時の豊臣系城郭に見られる華やかさが取り入れられました。発掘調査では宇喜多秀家の時代の金箔瓦も見つかっており、築城当初は城内の重要な建物に金箔瓦が使われていたと考えられています。黒い外壁と金色の瓦が組み合わさった姿から、「金烏城」と呼ばれることもあります。

築城は、単に建物を建てるだけの事業ではありませんでした。城を中心とした町を整え、人や物資が集まる仕組みをつくり、岡山を政治・経済の拠点へと成長させていく大規模な都市計画でもあったのです。

旭川の流れを城の北側から東側に沿わせ、天然の堀として利用した点にも、岡山城の立地上の工夫が表れています。現在も天守の近くを旭川が流れ、その対岸に岡山後楽園が広がる風景は、岡山らしい都市景観のひとつになっています。


「烏城」と呼ばれる漆黒の天守
岡山城を初めて訪れた人が、まず目を奪われるのは天守の色でしょう。

外壁を覆う黒い下見板は、落ち着きと威厳を感じさせます。日中には黒い壁と白い漆喰部分の対比がくっきりと見え、夕方になると建物全体が空の色になじみ、昼間とは異なる表情を見せます。

天守の石垣と1階部分が、不等辺五角形という珍しい形をしていることも特徴です。これは、もともと存在した岡山の丘の地形に合わせて建てたためと考えられています。整った長方形ではない土台の上に天守を成立させた点からも、当時の築城技術や設計上の工夫を感じ取れます。

正面だけを見て通り過ぎるのではなく、少し場所を変えながら眺めてみるのがおすすめです。見る角度によって屋根の重なり方や建物の輪郭が変わり、同じ天守でも印象が異なります。

旭川の対岸や後楽園側から眺めると、川や木々を含めた広がりのある景色を楽しめます。一方、城内から近づいて見上げると、石垣の高さや天守の量感が強く伝わってきます。


現在の天守は戦後に再建されたもの
岡山城の天守は、明治時代以降も残され、かつては国宝に指定されていました。しかし、1945年の岡山空襲によって焼失しています。

現在の天守は、残されていた資料や図面をもとに1966年に再建されたものです。築城当時の建物そのものではありませんが、岡山城の外観的な特徴を伝えるとともに、地域の歴史を学ぶための展示施設として活用されています。

再建された城と聞くと、歴史的価値が低いように感じる人もいるかもしれません。しかし、戦災で失われた象徴的な建物を再び町の景観に取り戻し、次の世代へ歴史を伝える役割を持たせたこと自体も、岡山城が歩んできた歴史の一部です。

現在の天守を眺める際には、「戦国時代の城」という一面だけでなく、戦災と戦後復興を経験した岡山の歩みも重ねてみると、見え方が少し変わってきます。


天守内では岡山の歴史を分かりやすく学べる
岡山城天守は、外観を眺めるだけでなく内部も見学できます。

2022年11月には「令和の大改修」を終えてリニューアルオープンしました。展示は岡山市出身の歴史学者・磯田道史氏が監修し、宇喜多家や池田家、城下町の発展など、岡山城を中心とした歴史を伝える内容になっています。

歴史資料というと、専門的で難しそうな印象を持つかもしれません。岡山城では、映像や空間演出なども取り入れながら、人物や出来事の関係を理解しやすいように紹介されています。

建物の年代だけを覚えるのではなく、「誰がこの城を築いたのか」「なぜ川のそばに城を置いたのか」「城下町はどのように広がったのか」といった視点で見ていくと、岡山という町の成り立ちが立体的に見えてきます。

城内には休憩に利用できるカフェスペースや、岡山城ならではの商品を扱う土産物店もあります。見学の途中でひと息つきながら、展示で知った歴史を振り返るのもよいでしょう。


最上階から眺める旭川と岡山の町
天守内部を上へ進むと、岡山城周辺の景色を見渡せます。

特に印象的なのが、城のすぐそばを流れる旭川と、その向こうに広がる岡山後楽園です。現在では穏やかな水辺の景色ですが、かつて旭川は岡山城を守るための天然の堀として利用されていました。

川、城、庭園が近い範囲にまとまっているため、天守から眺めると、岡山城が周辺の地形を生かして築かれていることが分かります。

また、視線を市街地へ向ければ、現代の建物が並ぶ岡山市中心部が広がっています。歴史的な城郭と現在の都市が同じ景色の中に収まることも、岡山城の面白さです。

なお、館内では4階までエレベーターを利用できますが、5階から6階へは階段を使います。また、天守へ至る屋外の経路にはエレベーター設備がないため、階段や坂道の移動に不安がある場合は、事前に公式案内を確認しておくと安心です。


石垣を見ると城の歴史がさらに面白くなる
岡山城を訪れたら、天守だけでなく石垣にも注目してみてください。

城内には、築かれた時代や工事を行った城主によって異なる石垣が残っています。自然石に近い形を生かして積み上げた部分や、石を加工して隙間を少なくした部分など、石の形や積み方を比べてみると違いが分かります。

城郭は一度に完成したものではありません。宇喜多氏、小早川氏、池田氏と城主が変わるなかで、必要に応じて増築や改修が行われました。そのため、石垣には各時代の技術や考え方が重なっています。

一見すると同じように見える石の壁も、少し立ち止まって観察すると、石の大きさや向き、隙間の埋め方が場所によって異なります。こうした違いを探しながら歩くと、城内の散策が単なる移動ではなく、歴史を読み解く時間に変わります。


現存する月見櫓も見逃せない
岡山城には、戦災を免れて現在まで残った建物があります。その代表が月見櫓です。

月見櫓は国の重要文化財に指定されている貴重な建造物で、再建された天守とは異なり、江戸時代から残る岡山城の姿を伝えています。岡山市は、岡山城の月見櫓を国指定重要文化財として案内しています。

名前だけを見ると、月を眺めるための優雅な建物を想像するかもしれません。実際には城の防御に関わる役割も持っており、城外側から見た姿と城内側から見た姿で印象が異なります。

岡山城を訪れる際は、天守の大きさに目を奪われがちですが、現存建物である月見櫓にも足を向けることで、岡山城の歴史をより深く感じられます。


岡山後楽園と一緒に巡りたい
岡山城観光では、日本三名園のひとつとして知られる岡山後楽園と組み合わせるのが定番です。

岡山城と後楽園は旭川を挟んで向かい合っており、徒歩で行き来できます。城と大名庭園が近接しているため、半日ほど時間を確保すれば、両方を比較的ゆっくり見学できます。

岡山後楽園は、岡山藩主の池田綱政によって1687年に造営が始められ、1700年ごろに大きな形が整いました。岡山城の公式年表にも、その成立過程が記されています。

城では、戦国武将や城郭、城下町の発展を学べます。後楽園では、大名が過ごした庭園空間や四季の植物、池や築山を生かした景観を楽しめます。二つを続けて訪れることで、政治や防御の拠点としての城と、藩主がくつろぎ客人をもてなした庭園という、それぞれの役割の違いが見えてきます。

後楽園側から川越しに眺める岡山城も美しく、写真撮影にも適しています。漆黒の天守が木々の緑や水面の明るさに映え、城内から見る姿とは違った魅力があります。


季節や時間帯によって変わる岡山城の表情
岡山城は、訪れる季節や時間によって景色が変化します。

春は周辺の花や新緑が黒い天守を明るく引き立てます。夏は青空や濃い緑と天守の輪郭がはっきりし、力強い印象になります。秋は紅葉や夕暮れの色と調和し、落ち着いた風景を楽しめます。

岡山城一帯では、春・夏・秋に「烏城灯源郷」と呼ばれるライトアップイベントが行われることがあります。夜の天守は昼間とは異なり、黒い建物の輪郭や金色の装飾が照明によって浮かび上がります。開催期間や入場時間は年によって異なるため、訪問前に公式サイトの最新情報を確認してください。

写真を撮る場合、正午前後は建物の細部が見えやすく、夕方は空の色と城のシルエットを一緒に収めやすくなります。晴れた日の景色だけでなく、曇り空の下では黒い天守の重厚さが強調されるため、天候によって異なる雰囲気を楽しめます。


岡山市中心部からアクセスしやすい
岡山城は岡山市北区丸の内にあり、JR岡山駅から公共交通機関で訪れやすい場所にあります。

路面電車を利用する場合は、岡山駅前から東山行きに乗り、「城下」で下車します。乗車時間はおよそ5分で、城下停留場から岡山城までは徒歩約10分です。バスでは「県庁前」で下車し、徒歩約5分が目安です。

岡山の路面電車は市街地の風景を眺めながら移動できるため、観光そのものの一部として楽しめます。時間と体力に余裕がある場合は、岡山駅周辺から市街地を歩きながら向かう方法もあります。

岡山城天守閣には専用駐車場がありません。車で訪れる場合は、烏城公園駐車場や周辺のコインパーキングを利用します。休日やイベント開催日は混雑する可能性があるため、公共交通機関を利用すると移動しやすいでしょう。


岡山城の基本情報
岡山城天守閣の所在地は、岡山県岡山市北区丸の内2丁目3番1号です。

2026年7月時点の公式案内では、開館時間は午前9時から午後5時30分までで、最終入場は午後5時です。休館日は原則として12月29日から31日までとなっています。イベントや荒天、施設点検などによって変更される場合があります。

入場料は大人500円、中学生以下は無料です。岡山後楽園との共通入場券なども用意されています。料金や利用条件は改定されることがあるため、実際に訪れる前に岡山城公式サイトで最新情報を確認してください。


岡山城をゆっくり楽しむためのポイント
岡山城を訪れる際は、天守の内部だけでなく、城内を歩く時間も含めて予定を立てるのがおすすめです。

天守内の展示を中心に見る場合でも、外観や石垣を眺める時間を含めると、少なくとも1時間程度は確保しておきたいところです。岡山後楽園まで一緒に巡る場合は、移動や休憩を含めて半日ほど予定しておくと、慌ただしくなりません。

歩きやすい靴を選ぶことも大切です。城内には石段や坂道があり、石垣の近くは足元に注意が必要な場所もあります。夏は日差しを遮る場所が限られるため、帽子や飲み物を準備しておくと安心です。

また、城の説明板や展示をすべて急いで読むより、興味を持った人物や場所をいくつか選び、立ち止まって見るほうが記憶に残ります。宇喜多秀家、池田光政、城下町、石垣、旭川など、自分なりのテーマを決めて歩くのもよいでしょう。


岡山城は、町の歴史を立体的に感じられる場所
岡山城は、漆黒の天守が美しいだけの観光名所ではありません。

宇喜多氏による築城、関ヶ原の戦い後の城主交代、池田氏の時代における城下町の発展、戦災による天守の焼失、そして戦後の再建まで、岡山の歴史が幾重にも重なった場所です。

現在の岡山市中心部がどのように形づくられてきたのかを知るうえでも、岡山城は重要な手がかりになります。天守から市街地を眺め、旭川沿いを歩き、対岸の岡山後楽園へ向かうと、城を中心に町が広がってきた様子を実感できます。

黒い天守の美しさを楽しむだけでも十分に訪れる価値がありますが、建物の形、石垣の違い、川との位置関係、現存する櫓などに目を向けると、岡山城の魅力はさらに深まります。

岡山市を初めて観光する人にも、以前訪れたことがある人にも、歩くたびに新しい発見を与えてくれる場所です。歴史を学ぶ場所として、町を眺める展望スポットとして、そして岡山らしい景色に出会える散策地として、ゆっくり訪れてみてはいかがでしょうか。
※写真はすべてWALK-TRIPS事務局が現地で撮った写真です
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